「原田、どう思う? 絵とかあったほうがよくない?」
合瀬の言葉に近づいてきた原田は、嬉しそうに江口さんの隣に座る。
チラチラと、あからさまに胸元や太ももを覗き込むその仕草は、江口さんではなくとも嫌われるだろう。
「原田、絵、描けたよな?」
「ああ、イラストぐらいならな」
「じゃあ、ここにさ……」
僕と江口さんを置いて、しおりにイラストを入れる話へとなっている。
だけど、問題はそんなことではない。
記号の二人。
今、ここにいるのは、僕が攻撃すべき人間たちだ。
端から見れば、きっとみんなで仲良く、遊びの相談でもしているように見えるだろう。
しかし、この状況は何だ。
僕は混乱し始めていた。


