マーブル色の太陽


僕は待つ間、江口さんが自分で切ったという髪の毛のことを考えていた。

本当は、直接本人に聞いてみたい気もしたのだが、それは止めた。

それを聞くと、その事に対する僕の意見を言わなくてはならないだろうし、それを聞くのは少し怖い気がする。



江口さんが僕に向ける好意ははっきりとわかっていた。

今は、坂木を追いつめるための記号として扱ってはいるが、それが終われば(非常にずるいことだとは思うが)僕はその好意を受けようと思っている。

だが、あの髪の毛のことを聞いてからは、少し、江口さんの心理が読めなくなってきていた。