マーブル色の太陽



「良かったわね」


カンファレンスルームから帰り、一緒に検査結果を聞いた母親が、リンゴを剥きながらそう言った。

父親は来ていない。

仕事があるんだろう。

僕も来て欲しいと思う年齢でもなかった。


「学校には連絡しといたから。先生、心配してらしたわよ」


心配なら来るだろう。

どんなに忙しかったとしても、それも担任の責務ではないのか。

まあ、来られたら来られたで、こっちとしても困るのだが。