僕は、精一杯、動揺を抑えてそう言った。
江口さんの顔がだんだんと赤くなっていく。
腕が小刻みに震えているのは、自分の体重を支えているせいだけではないだろう。
見た目が変わり、言動も派手になったが、根底に流れるものは、そうすぐには変わらない。
江口さんも緊張しているのだと思う。
「うん……」
掠れるような声で、江口さんは同意する。
そして、そっと目を閉じた。
僕はその顔をじっと下から見つめる。
「江口さん……最近、すごく綺麗になったね」
江口さんは閉じていた目を開き、僕を見つめる。
とろんと上気した顔も、すごく可愛かった。