「じゃあ、放課後ね」

「うん」


僕はそう答えて、大事なことに気づいた。

何かを忘れている。

記号はもうひとついるんだった。

そう大事な記号だ。

僕はその記号も壊さなければならない。

坂木にとって、もっとも大事な記号。

それは江口さんの存在だ。