「何がおかしいの?」 そんなことを思い出していたからだろう。 僕は江口さんの問いかけに遅れて反応した。 「あ……気持ち悪いね。思い出し笑いとか」 どうやら笑っていたらしい。 そんな僕につられたのか、江口さんも笑っていた。 「そんなことないけど、楽しいことなら、私も混ぜてほしいな」 僕は笑って返しながら、黒板を見る。 生物の授業。 教師の細胞の説明が続いていた。