マーブル色の太陽


おじさんの説明によると、あかねさんには弟がいる。

この弟の素行があまり良くなく、危ない団体の方々に目をつけられてしまった。


「まあ、縄張りとかな、あるんじゃないか? それを知らずに、適当に稼いだりした……ってとこかもな」


危ない団体は弟の素性を調べ、そこに、同じく危ないクスリに手を出し、その代金を払えなくなった倉田さんを近づけさせた。

もちろん、姉が看護師だということを調査した上で。

そして、危ない団体から弟を守るため、あかねさんは身も心も、そしてクスリも、倉田さんに提供せざるを得なくなった。


「じゃあ、あかねさんは悪くないの?」

「それはない。実際に、自分の意思でクスリをパクったわけだし、罪も認めてる。まあ、情状酌量は入るかもしれんが、なにせ、クスリがらみの犯罪は、社会に与える影響が重視されるからな」

「そっか……。倉田さんにもお世話になったんだ。そんなに……悪い人だと思えなかったんだけど……。怪我はひどいの? やっぱり危ない団体にやられたの?」

「肋骨が3本、左の上腕、かかとを骨折している。まあ、しばらくは入院だな。それと、本人は、酒を飲みすぎて落ちてしまったと言っている。尿から薬物反応が出たらしいから、クスリやった後、酒を飲んでしまったんじゃないかな」

「そうなんだ……」