もうひとつ、坂木たちに対して、真っ向から受けてたつ気になれたのは、僕が犯した犯罪に関しての懸念が、昨日、払拭されたからだ。
あの後、ひとりになり、落ち着いた僕は急に不安になった。
そして、正弘おじさんに電話を掛けた。
「はい」
「あ、おじさん? 僕、サトシ。まだ、仕事中?」
「おー! 珍しいな! いいぞ、記者に定時はあってないようなもんだ」
「聞きたいことがあるんだ」
僕は、おじさんが勤める新聞社のホームページで見た、あかねさんの事件のことを聞いた。
あかねさんには、入院中世話になったこと。
心配しているということを伝える。
一瞬、嘘をついて、聞き出そうとも思ったが、どうせ、そんな嘘はどこかで綻ぶ。
こういう時は、正直に言ったほうがいい。と、昔、正弘おじさんが教えてくれた、「女に嘘がばれたときの対処法」で攻めてみた。