目の前が明滅したように感じ、頭を振る。 一度目を瞑り、ゆっくりとその建物を恐る恐る見た。 だけど、さっきほどの衝撃は起こらず、僕の目に映るのは、いたって普通の風景だった。 「サトちゃん……頭……痛いの?」 みどりが心配して僕に声をかけたことで我に返る。 僕は「大丈夫」と答えながら、みどりの横に腰掛けた。