「……はい。替わりました……」
中山先生が電話に出る。
それと前後し、僕の意識は混濁し始めた。
『声』と中山先生の会話も途切れ途切れになり始める。
『……の……どう……れ』
「そ……でき……せん!」
『お前……立場……えろ……この事が……っても……か?』
「……でも……いや……そんな……いやあああ……」
中山先生の悲鳴に近い声が聞こえる。
『声』は何を言ったのだろうか。
まあいい。
ここは僕の夢の中。
直接、危害を加えるわけではないし、それで、僕の気分が晴れるならそれでいい。
誰かが傷ついたわけではない。
そう安堵した途端、僕の意識は完全に途絶えた。


