また、夢を見ていた。 どこだろう。 薄暗い部屋の中。 ブラインド越しに、何処からか、明かりが差し込んできている。 そのぼんやりとした明かりの下、僕の目は次第に闇の中をとらえていった。 ああ、これは……ここは……僕の部屋だ。 勉強机に座り、僕は携帯電話を操作している。 どうやらアドレス帳を見ているようだ。 あ、か、さ、た、な、は。 僕の指は『は』行で止まり、さらに画面を下方向へスクロールさせて、どこかに電話を掛け始める。 数回の呼び出し音の後、電話は繋がり、僕は話し始めた。