「寝坊しちゃった!」 「えっ!?」 江口さんは短くなった髪の毛を触りながら、こちらを向いてそう言った。 しかも笑顔だ。 それに敬語じゃなくなっている。 僕は彼女にしたことをもう一度考える。 髪の毛を切った。 女の子の髪の毛を切った。 大事に伸ばしていたかもしれない髪の毛を切った。 無理矢理切った。