江口さんは診察券のような小さなカードを教師に見せながら手短に説明をする。 普段が真面目な江口さんは、それほど追求されることは無く解放されたが、教師のほうも江口さんの変わり方に目を丸くしていた。 驚いてばかりいられない。 僕が犯した罪はこれから重く圧し掛かる。 坂木に対しては、徹底抗戦する覚悟は出来ているが、江口さんには謝らなければならない。 たとえ許されなくても。 僕がそう考え、口を開こうとした時だった。