『残念だったな』 笑い声と共にあの声が聞こえてきた。 『窓にオレが映ってるとでも思ったんだろ? このボケ』 「あ……いや……その……」 見透かされていたことに、僕は凍った。 悪寒に近いものが、背筋を這い上がる。 確かに僕は、ホラー映画にあるように、そこに声の存在があるかもしれないと、思っていた。 『余計なこと考えてんじゃねーよ、このカスが!』 「あ……うん……ごめん……」 僕は勢いに押されて口ごもる。 そんな僕の態度に満足したのか、声は、少し口調を和らげて、こう言った。