授業が無事に終わった。 今日も坂木たちは何もしてこない。 何もされないのは喜ばしいことなのでが、なんだか不気味だ。 カバンに荷物を詰め、まだ自分の机でごそごそとしている江口さんを置いて、さっさと職員室へ向かう。 今日は一言も喋らなかった。 いや、江口さんの方からも話しかけては来なかった。 ただ、時折、こちらを見ていることだけは分かった。