「まあ、いいか。修学旅行の行程や班決め、その他……まあ色々だ。言ってみれば、修学旅行期間中限定の学級委員みたいなもんだな」
「はあ……それを……僕に?」
残酷だな。
ほとんど誰とも喋らず、存在を消そうと必死になっている僕が、クラスの取りまとめを行えるわけがない。
でも、断ることも出来ないだろう。
坂木たちが許してくれない。
「他にいなければ……な」
馬場先生がそう言った時、チャイムが鳴る。
僕は覚悟を決めた。
仕方がない。
いつもと同じだ。
じっと我慢するしかない。
大丈夫、大丈夫。
自分に言い聞かせた、その時だった。


