「サトシ。着替えてきたら?」 僕は母親の言葉に、一旦、リビングから離れた。 とりあえず洗面所へ行き、うがいと手洗いをする。 そして、自分の部屋に入り、洋服に着替えようとクローゼットを開けた時だった。 「サトちゃん!」 その声に、後ろを振り向くと、みどりが入り口のドアの所に立っている。 「サトちゃん言うな」 「お帰り。遅かったね」 「ああ、うん……ちょっとな」 「ちょっとお? 何だよ、ちょっとって!」 そう言うと、みどりは僕の部屋に入ってきた。