教室の一番後ろ、ベランダ側が僕の席。

一週間ぶりの机は、卑猥な言葉で汚されることなく僕を待っていてくれた。

よく見ると、心なしか机がキレイに見える。

新しくなったのかと思ったが、昔、消そうと思って消えなかった女性器のマークが薄くなって残っていた。

誰かがキレイにしてくれたんだろうか。

いや、まさか、そんなことはない。



極力、音を立てないように道具を机の上に載せる。

音を立てないように、目立たないように。

上手く生きて行く上での必要不可欠なスキル。

この閉鎖的な「学級」というコミュニティ内では、僕にとって英語よりも必須科目だ。