「なあ、このイライラした気持ち、どうしてくれんだ?」 どうするもなにも無い。 そこに答えも無い。 坂木も求めていない。 ただ、いたぶりたいだけだ。 脇の下にかく冷たく嫌な汗。 唇は乾き、上手く舌も回らないような気持ちになる。 胃の収縮と共に、自分自身も縮こまっていくのを感じる。 (どうしよう! どうしよう! どうしよう……) 僕は狼狽し、視界が狭くなる。 嫌な汗を額にまでかき始めた、その時だった。