俺が呼び止めると、無防備な顔を向けてきた。


そして、すばやく一瞬だけ触れるキスを落とした。



「気をつけて行けよ?」


そう言って頭をポンポンと撫でると、侑梨は頬を赤らめた。



「き、気を付けます……」


恥ずかしいのか、コクコクと頷きながら敬語で答えた侑梨。


それから「行ってきます!」と、照れを誤魔化すように声を張り上げた侑梨を笑顔で見送った。