高2になる春。 まさか、好きな人と同居することになるなんて思いもしなかった。 ───────…… 「侑梨ー!ちゃんと部屋、片付けたのー?」 階下からお母さんの大きな声が聞こえてきて、 窓拭きをしていた手を止めた。 「今、掃除してるー!」 私も負けじと大声で返すと、お母さんから「はーい」とだけ返ってきた。 ………何だ、それだけか。 私はまた窓拭きの作業に戻る。