「侑梨様、冬哉様!探しましたよ!」 突然、ひょこっと坂井さんが現れた。 普段は感じよく接している俺だけど、この時ばかりはキレたくなってしまった。 「……っすみません、お邪魔でした「坂井!ちょうどよかった!帰ろ!」 謝ろうとした坂井さんの言葉を遮って、侑梨が俺の前から逃げ出した。 「でも……」 「いいから帰るの!冬哉も早くっ!」 その焦ったような、照れたような後ろ姿が愛しくて素直に着いて行った。