「結婚の件ですが……、まだ籍は入れないでいただきたいんです」 豪華な夕食の後、リビングで談笑している時。 俺はふいにそう言葉を発した。 びっくりしたように俺を見てくる愛梨さんと彰吾さん。 「冬哉……?」 不安げに瞳を揺らした侑梨。 まさか侑梨、俺が結婚したくないとか思ってんのかな。 ……そんなの、ありえねぇのに。