全然、集中出来ない。 せっかくバットにボールを当てられるように頑張ろうと思ってるのに! 冬哉と密着しすぎてて、それ以外のことが考えられない…… 「ちゃんと聞いてる?」 耳元で、甘い声で囁かれて。 わざととしか思えないよ。 「聞いてる、から……っ」 冬哉の息が耳に掛かって、くすぐったくて、思わず片手で耳を隠すように押さえてしまった。