「バットはこう持って…」

「う、うん」

「足は閉じるなよ」

「は、はい」


冬哉がバッティングのフォームを教えてくれるのはいいんだけど…

私はさっきから噛んでばっかり。


それもそのはず。

だって……



「ち、近くない?」

「近くねぇよ。こうしないと教えにくいだろ」


私の後ろから抱き締めるように、バットを握っている冬哉。

手や腕や胸板や、とにかくいろんなところが触れていて。