私達は急いで体育館へ向かい、クラスの列へ並ぶ。

担任は体育会系の怖い先生なだけに、バレずに入れてよかった。


今日は礼や起立する練習と、校歌を歌うみたいだ。



「侑梨ちゃん、忘れてたの?」


隣に並ぶ男子列から私の名前が聞こえた。


「あぁー…うん。話が盛り上がっちゃってね」


お互い3年生の彼氏がいるんだから、しょうがないよね。



「そっか」


そう言って柔らかく微笑む男の子

橘京輔[タチバナキョウスケ]くん。