「瑠唯、帰ったら分かっているだろうな。」


それは藍沢さんが運転する車が、予定通り7時少し前に、学校の正面玄関に着いた時だった。

和雅さんは、車から下りようとする私の腕を掴んで言った。


何のことを言っているかは分かっていたけど、返事はしずらい…



「うぅ……」


「返事はどうした?」


「はい…」



これが何の返事かというと、帰ったら2回キスをするという承諾の返事…


朝、和雅さんは私が起きるなり昨晩のキスを要求してきた。勿論目覚めのキスとは別にしろと言う。


寝てしまえば逃げられるかとも思ったが、そう甘くはなかった…


それでまず始めに、おはようのキスをしようと頑張ってみたけれど…


やはり、恥ずかし過ぎて、どうしても頬にしか出来なかった。


そんなこんなをしていたら、刻々と時間は過ぎていき、これでは学校に遅れてしまうと見兼ねた藍沢さんが、何とか和雅さんを説き伏せ、続きは帰ってからということになったのだけれど…


先伸ばしになっただけで、何の解決にもなってない…