「あー、なんか風邪引いたんだって。

お見舞い行きたいなー」

「サボっちゃえば?

理由つけといてあげる。」


夏菜はサボりが多い。だけど頭がいいんだ。

それに比べ、私はできない。


だから授業をサボれない。


「ありがとう!真希。
んじゃ、1日休んじゃうから」


「うん、行ってらっしゃい。」


笑顔で見送る。他の人からみたら可笑しい。


来た道をスキップしながら戻ってく夏菜の姿は。



そのままHRが始まる。

「御子柴ー御子柴?」


出席ではもちろん夏菜はいない。


「夏菜なら、熱が出たみたいなので休みです。」

適当に弁解しとく。


今日も夏菜がいなくて寂しい。



―――――お昼は中庭で一人で食べた。

中庭から帰る途中、フラフラ歩いてたら誰かにぶつかった。



「あ、ごめんね。」

そう言って顔をあげた相手は…――青柳 藍。



普通だったら赤面したり悲鳴をあげたりするだろうな。


でもあたしは

「こちらこそすみませんでした。」


そう言って謝罪したらスタスタと立ち去る。

嫌、立ち去ろうとした。