【完】隣の家のオオカミさん



千絵の知り合いかな…?



「あたしの兄貴なの。今二年生」



並んで立つ二人を数回頷きながら見比べた。


お、お兄さんですか!
確かに雰囲気は似てるかも。



「桜田洸汰[さくらだ こうた]です。よろしくね」



手を差し出されてわたしはそっとその手に触れた。



「及川日向子です。よろしくお願いします」


「……あ!君、もしかしてうどん屋でバイトしてた子だよね?」



え、なんで知ってるのこの人。

お客さんで来てたのかな……?



「あ、はい。もう辞めちゃいましたが」


「そっか。あ……喉の調子はどう?治った?」