【完】隣の家のオオカミさん



無心で歩いていたのか家に着くまでの記憶がほとんどない。


いつも通る公園もコンビニもいつ過ぎたのかわからなかった。


気づけばわたしは自分の部屋にいて
小さなソファに膝を抱えて顔を埋めるように座っていた。



お風呂もまだ入ってないしご飯もまだ。


全然やる気が起きない。
どうしてもぼーっとしちゃう。



―――『あなたねぇ、行動が遅いのよ』



おばさんに言われた言葉が頭の中でこだましている。


のんびりな性格は昔からだ。

仕事だけに集中してるし、
キビキビと行動をしてるつもりなのに。