横に分けていた前髪は、すっかり癖がついてしまって真っ直ぐに下ろすことができない。


…まぁ、いっか。


メガネも嵐がつけていってるから、とりあえずナシってことで。


教室の窓から何気に校門の方を見てみると…。





あーっ!


虎ちゃん、なにやってんの!?


完全に閉まっている校門を、こじ開けようと前後に揺らしている。


そして諦めたのか、上を見上げたかと思った途端…。


門に足をかけて、軽々とよじ登り、あっという間に門を飛びこえてしまった。


所要時間、数秒……。


あまりに華麗なその動きに、あたしは見とれてしまっていた。