「近くにウマい店があるんだよな。ヤローとしか行ったことないから、女を連れてくのは乙葉が初めて」


――ドキッ。


そして、さり気なくあたしをドキドキさせる……。


「そんなに言うなら…行ってみようかな」


「やった」


虎ちゃんが嬉しそうに目を細めて、指を鳴らす。


「虎ちゃんって、おいしいお店をいっぱい知ってそうだね」


「そんなこともないけど?気に行ったらめちゃくちゃ通うからな~。だから、本気の女しか連れていかない」


ううっ、あたしまたドキッとしちゃった。


困った…。


なんなの、この胸の高鳴りは。