『メガネ貸りるな』



そう言って、あたしから強引にメガネを奪う。



『それがないと困るっ、見えない……』



『ウソつけ!全然度が入ってねーじゃん。乙葉は……メガネを外したら、変われる。今日だけは、俺になりきれ』



『嵐に……?』





昔から、あたしがやりたいことを全部実現してきた嵐。



友達とモメたときも、力だけじゃなくて言葉と笑顔であっという間に解決しちゃうところや、



すぐに彼女ができるところや、友達の多いところ。



気さくで明るくて、小さい頃から……



嵐は、あたしの憧れだった。