あたしはどさくさに紛れて狼谷君の背中に腕を回してギュッと抱きついてみた。


広くて大きな背中。温かい胸。


細身なのに、腕を回すとやっぱりがっしりとしていてたくましい。


ああ、ダメ。やっぱり好き……。


あたしは狼谷君の胸に顔を埋めて、このまま時間が止まればいいのに……。


そんな夢のようなことを考えていた。