「それは……――」 そう言いかけた時、休み時間を終えるチャイムが鳴りだした。 「って、そんなこと聞かれても困るよね……。ごめん」 「ううん、こっちこそ……ごめんね」 「いや。ハッキリ言ってもらってスッキリしたよ。恋人にはなれなかったけど、これからもいい友達でいてくれないかな?」 「うん」 スッと右手を差し出されてあたしは頷きながら斉藤君の手を握った。 すると、その拍子に勢いよく手を引っ張られてあたしは斉藤君の胸に顔をぶつけた。