狼谷君といると、ドキドキする。 胸が苦しくなる。 顔がにやけちゃう。 狼谷君に触れられた部分がいまだに熱を持っているみたいに、ジンジンする。 その時、ハッと気が付いた。 あたし、狼谷君に恋をしたんだ。 自分でも気づかないうちに、急激に惹かれていた。 「狼谷君……」 その名前を言葉にするだけで顔がほころぶ。 誰かに恋をするとこんな気持ちになるんだ。 あたしはこの日、ようやく自分の気持ちに気が付くことができた。