「……――わざわざ送ってくれてありがとう。それと、手袋のことみんなに謝っておいてね?」


「あぁ」


家の前まで送ってくれた狼谷君は別れを惜しむことなくクルリと背中を向けて歩き出す。


その背中を見つめていると、何故かギュッと胸が締め付けられた。


胸の高鳴りが抑えられずどうしようもない。


狼谷君と言葉を交わすたびに、呼吸がしずらいほどに胸がきゅんと高鳴る。


笑顔を見れば、体中が熱くなる。


あたし、もっともっともっと……


狼谷君に近づきたい。


狼谷君を知りたい。


あたしのことを……知ってほしい。