「ありが……とう」


歩道のない狭い道を歩いていても、あたしには何の危険もない。


隣にいる狼谷君が後ろから来る自動車や自転車から守るように歩いてくれるから。


しかも、不思議。


歩幅の違うはずの狼谷君と一緒に歩いていても、全然苦じゃない。


もしかしたら、あたしのペースに合わせてくれているのかもしれない。