≪狼谷星哉(おおたにせいや)≫ お世辞にもうまいとは言えない字で書き殴られた名前。 お、お、狼谷君!? 頭の中で危険を知らせる警報音が鳴り響く。 17年間生きてきて、ここまでのピンチは今日が初めてかも。 どうしよう、どうしよう、どうしよう。 何とかこの状況を切り抜ける方法を考えてみても、何も思い浮かばない。 それどころか、狼谷君に半殺しにされている自分を想像して身震いしてしまう。