あたしに気付いた星哉はさっきよりもさらに足を速めてあたしに近づいてくる。


一歩一歩、近づく距離。


その距離が近づくたびに、どんどん不安が募っていく。


「……――待たせてごめんな」


あたしの目の前までやってくると、星哉はそう言ってあたしの頭をポンッと叩いた。


「ちょっと、星哉!!おいていかないでよ~!」


そのすぐ後、肩で息をしている瑞穂ちゃんは少し頬を膨らませながら星哉を睨んだ。


「二人で……何して……たの?」


思わず口にした言葉。


あたしの言葉に、星哉と瑞穂ちゃんは一度目を見合わせた。


そして、瑞穂ちゃんはニコリと笑って口を開いた。