「っ……――!!」 間一髪のところで狼谷君はあたしの腕を掴んで体を支えてくれた。 狼谷君の力強くて大きい手の平から伝わる熱に体中が熱くなる。 狼谷君とあたしの顔の距離は30センチもない。 真っ黒いけれど綺麗に澄んだ瞳。 目の上にある小さな古傷。 狼谷君の目に見つめられて心臓がドクドクと大きな音を立てて鳴り始める。 「ご、ごめん!!それと、助けてくれてありがとう!!」 体勢を立て直して謝ると、狼谷君はすっとあたしの腕から手を離してそのまま何も言わずに歩き出した。