「……――狼谷君!!」 全速力で走り出すと、背の高い狼谷君は簡単に見つけることができた。 廊下にいる生徒たちより頭一つ分飛び出しているから。 それに、狼谷君にオーラがありすぎるせいかも。 大声で名前を呼ぶと、狼谷君はその場にピタリと立ち止った。 よかった……。 無視されなかったことに対して心の中でほっと安堵のため息を吐いた時、ふと狼谷君の背中がすぐそばまで迫っていることに気が付いた。