「今も……好きなのか?」
「うん……。そんな簡単に……気持ちはなくならない」
嫌いになって別れたわけじゃないから……。
星哉があたしを好きじゃなかったとしても、あたしは星哉が大好きだから……。
今も現在進行形で。
「あ~、クソッ。そんな顔されたら、俺、何もできねぇじゃん」
「何もできないってどういうこと?」
「だから、彼氏と別れて落ち込んでる桃華の気持ちに付け込んで、優しくすれば俺のこと好きになるかも大作戦」
「ヒロちゃん……、それを言っちゃだめでしょ?」
「まぁな。でも、なんか桃華の落ち込んでる顔見てんのは辛いし……。こないだのキスも……無理やりだったし……桃華を傷つけただろうし……」
くしゃくしゃと茶色い髪をいじると、ヒロちゃんは力のない声で「ごめん」と謝った。



