星哉が勢いよく扉を開けると、そこにはさっきあたしを保健室に連れてきてくれると言っていた斉藤君の姿があった。 もしかしたら、心配して保健室まで来てくれたのかもしれない。 斉藤君は星哉と目が合うと、心底驚いたように目を見開いた。 「ずいぶんといいタイミングだな」 恐ろしいほどに冷めた声でそう言った星哉。 「いや……それは……」 「早くそこどけ」 「あっ、あぁ。ご、ごめん……」 星哉の顔を見て真っ青になる斉藤君。 星哉は苛立ったように斉藤君の肩に乱暴に体をぶつけて保健室から出て行った。