「なぁ、桃華」
「……何?」
真剣な口調の星哉に目を向けると、至近距離でバチッと目があった。
鋭いけれど綺麗で澄んだ瞳。
その瞳は真っ直ぐあたしのことを見つめている。
「せ、星哉……?ど、どうしたの……?」
黙ってあたしのことを見つめたまま何も言わない星哉。
心臓の音が星哉に届いてしまいそうな気がして星哉の名前を呼ぶと、星哉はゆっくりとした動きであたしの頬に手を添えた。
「あのっ、あたし……えっと……」
「別れるなんて、冗談だろ?」
「それは……」
星哉の手のひらの熱が全身に広がって、何も考えられなくなる。



