「これ、どうした?」
指先についている絆創膏を見つめながら星哉は眉間にしわを寄せる。
「昨日、夕飯の手伝いをしてる時に包丁で切っちゃったの。ホントあたしって鈍くさいね」
ハハッと笑ってごまかしてみても、星哉に触れられている部分がジンジンと熱くなる。
椅子に向かいあって座っているあたし達。
二人の膝が触れあいそうなほど近いと気付いて、心臓が暴れ出す。
「つーか、ちゃんと飯食ってんのか?」
「うん。食べてるよ」
「絶対嘘だろ。ここ数日で明らかに痩せた」
「そ、そんなことないよ~!」
本当は星哉と別れてから2キロも体重が減ってしまった。
沙希にも今朝、『顔がげっそりしてる』って言われたし……。
星哉にも気づかれちゃったよ。



