『……――分かった。別れよう』
そして、星哉は一方的に電話を切った。
あまりにあっけない幕切れ。
自分から別れを切り出しておいてこんなことを思うなんて勝手すぎるよね？
だけど……苦しいんだ。
大好きだった星哉とようやく付き合えたのに。
あんなに楽しかったのに。
これから、星哉ともっともっと楽しいことをいっぱいするはずだったのに。
それなのに、こんな別れ方になってしまうなんて……。
「うっ……。うぅぅ……っ」
ボロボロと涙が溢れだして、その場にうずくまる。
「ご苦労様。なかなかの演技だったよ～？もう君には用はないし、僕はいくね？」
頭上から降ってくるその声に返事を返すことなくあたしは膝を抱え込んだ。
