報復……?逆らえないくらいに……?
何それ……。どういうことなの?
ゾッとして後ずさった時、ふと手元の携帯が震えているのに気が付いた。
着信の相手は星哉だった。
「どうせ狼谷だろっ?電話、でてもいいよ?そのかわり……――」
「そのかわり……?」
「もしこれから先も君が狼谷と付き合っていく気なら、俺は報復を決行する。だけど、今日を境にきっぱりとアイツと別れるなら報復はやめにするよ」
「そんな……」
「これが交換条件。どうする?彼氏がやられるのを指をくわえて黙って見ているか、それとも彼氏の為に別れるか。俺はどっちでもいいよ?」
「あたしたちが別れたら……本当に星哉には手を出さない……?」
「あぁ。約束するよ。どうもこの間の狼谷の様子を見ると、君のことを本当に大切に思ってるみたいだから。君からこっぴどく振られれば、相当な精神的ダメージを与えられそうだしね」
楽しそうに話す男の子。だけど、その目は笑ってはいない。



