もしかして……星哉の元カノの瑞穂ちゃんをしつように追いかけ回した男の子って……今あたしの目の前にいる稲葉君なの? まさか……――。 だけど、もしそうだとしたら、星哉といがみあうのもうなづける。 「いまだに悔しくてさ。あんなクズにどうして僕が殴られなくちゃいけないんだって」 「クズ……?」 「そう。だから、近々報復するつもり。もう僕に逆らえないくらいに……ね?」 「何をするつもりなの……?」 薄ら笑いを浮かべる稲葉君の言葉に背筋に冷たいものが走る。