目の奥が一瞬熱くなって、ギュッと唇を噛んで溢れだしそうな感情をこらえる。


「それももう昔の話だけどさ。桃華ちゃんがいらぬ誤解をしてそうだから、俺が星哉のかわりに弁解しといただけ」


「ナオくん……」


「星哉も桃華ちゃんと付き合って、とっくに瑞穂のことは吹っ切れてるから。桃華ちゃんは安心して星哉と一緒にいてよ。俺、ちゃんと瑞穂のこと説得しておくし」


「瑞穂ちゃんと……ナオくんは……どういう関係なの?」


ナオくんの口ぶりが気になって聞き返す。


「あぁ、俺と瑞穂?俺ら幼なじみなんだ。ごめん、言い忘れてたね」


「幼なじみ……」


「そうそう。ほら、桃華ちゃんと……えっと、誰だっけ……この間うちの店に来た……」


「愁太のこと?」


「あー、そう!愁太と桃華ちゃんみたいな関係。まぁ、とにかく、桃華ちゃんが心配することは何もないから」


「うん……、ありがとう……」


「でもさぁ……――」


すると、ナオくんは机に右ひじをついてジッとあたしを見つめた。